価値創造の成果 - 事業報告 -

車体VC

成長領域にリソーセスを集中し、
システム製品で
CASE時代をリードする

車体VC プレジデント西川昌宏

事業概要

 車体を構成するドア部品、シート関連部品、サンルーフなどの開発・生産を行っています。ユーザーが直接見て、触れる部分である車体製品においては、快適性・利便性、安全性などの機能性の追求はもちろん、デザイン性の向上や軽量化の取り組みも進めています。多様化するユーザーの期待に応えるため、車体製品を活用した新しいサービスの開発も行っています。

売上高
主要製品
パワースライドドアシステム

スライドドア内またはフロアに駆動ユニットを配置することで、車室空間を拡大しました。リモート操作により、ドアを自動で開閉可能です。ドア閉時の挟み込みを検知し、自動反転する安全機能も搭載。日本では軽自動車からミニバン、ワンボックスカーまで幅広い車種に搭載されています。

ニューマチックシート

ブラダ(空気袋)とポンプ、バルブを用いて、ユーザーの姿勢調整やリフレッシュを行うシートシステム。自然なフィット感と高いマッサージ効果が得られます。

「ベストミックス活動」で原単位改善を推進

 車体VCの前身は、2016年にアイシン精機がシロキ工業と経営統合したことにさかのぼります。この2社はかつて競合同士でしたが、オールジャパンでグローバルな競争に対応していかなければならないという危機感から、経営統合を行いました。その後、VC制となり、さらにコミュニケーションを深めてきました。活動の中心となったのは「ベストミックス活動」で、これは従来の生産ラインで各社の「いいとこ取り」を進めるとともに、新製品開発でもそれぞれの長所を取り入れながら、新しい生産ラインを設置するというもので、これにより原単位改善が着実に進展しています。本活動ではコスト低減、大幅な生産効率向上などを実現してきた一方で、課題としてはアイシングループ内の生産体制が挙げられます。現在車体VCでは、国内外に47拠点を有しています。この3年間で、重複する製品を集約することはほぼ完了しました。今後は同じ地域の複数拠点を相互に活用する、あるいは集約によって空いたスペースに次世代向け製品のラインを設置するなど、グローバルで効率的な配置をめざしていきます。

システム製品に注力し、優位性を確保

 今後、開発面においては成長領域に人的リソーセスを集中していく必要があります。この1年で10%程度のシフトを完了していますが、2020年には50%以上に引き上げる考えです。特に需要の大きいパワースライドドアシステムとサンルーフでは、データを使った開発から生産準備までを一気通貫で遂行するため、開発・生産技術が同期開発できる業務ステップの見直しも進めており、開発効率30%の向上をめざしています。同時に、工程の壁を取り払うことで効率化を図るプロジェクトをスタートさせており、システム、データ、CAEなどをどのように同期させるか、具体的にフローチャートにすることで、どこを結べば速くなるか、どこが重複しているかをチェックするなど、業務ステップを見直しています。
 製品面では、私たちはドアロックやドアハンドルといった機能製品からパワースライドドアをはじめとするシステム製品まで幅広く取り扱っていますが、VC内で重複する製品をシロキ工業、アイシン辰栄に集約しながら、VC全体としてはシステム製品に注力したいと考えています。このシステム開発のノウハウや知見については、VC制となって確実に強化されています。車体VCとしては、素形材を担当するアイシン高丘、アイシン化工、アイシン軽金属を含めた6社で連携し、素形材から一貫して開発し、システムとして組み合わせた製品の販売につなげていきます。システム全体で提供することが私たちの強みになると確信しており、車体VC一体で臨む考えです。
 CASEの時代では、オーナーカーからシェアカー主体となると想定されていますが、そこではパワースライドドアシステムなどが有効に機能すると考えられ、この分野において優れた製品を世に出していくのが私たちの使命だと考えています。CASE、MaaSなどの時代を見据えて、スライドドアが自動で開いてスロープが出てくる、ハンディキャップのあるお客様もスムーズに乗車できる製品など、先進的な製品を早く世に出していきたいと考えています。
 営業面では、VC制導入後、各社の販売ルートを互いに上手く利用することができています。VCに属する各社がそれぞれ得意とするお客様に加え、各社が共同で開拓することで新規のお客様も増えており、引き続き、売上の拡大に努めていきます。
 車体VCとしてまとまったことで、各社の連携の動きも速く、さらに事業VC間の連携も進んでいます。今後車社会における、おもてなしサービスなどの提供を考えていく際には、特に情報・電子VCのECU部門と常に連携を取ってお客様のニーズに応えていかなければなりません。技術部など担当者レベルの連携スピードはより一層速くなっていきます。今後は、集約による競争力のさらなる強化を図り、自動車の変革の時代に対応していきたいと考えています。

※CAE(Computer Aided Engineering):製品設計段階で、コンピューターを利用しその製品が性能的に問題がないかシミュレーションをし検討するプロセス。

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