価値創造の成果 - 事業報告 -

走行安全VC

CASE時代に向けて
電動化、自動運転への
取り組みを強化する

走行安全VC プレジデント伊勢清貴

事業概要

 「走る」「曲がる」「止まる」といったクルマの基本性能を担うブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの製品を中心に開発・生産を行っています。これらの製品を様々な制御技術と連携・協調させ、システムとして提供することで、安全・安心なクルマ社会の実現に貢献し、交通事故ゼロをめざしています。さらに、ドライブの楽しさや、乗り心地などの快適性を高める技術の開発も進めています。

売上高
主要製品
電子制御ブレーキシステム

ハイブリッド車などで、油圧ブレーキ力とモーターによる回生ブレーキ力を協調させながら、減速時の運動エネルギーの回収を最も効率良く行うよう制御するシステム。油圧応答性を向上させることで、滑らかなブレーキフィーリングとエネルギー回収領域の拡大を実現し、燃費向上に貢献します。

駐車支援システム

超音波センサーやカメラを用いて駐車スペースを検知。目標駐車位置が自動設定されるため、スイッチ操作でハンドルが自動で動き、障害物を検知しながら後退駐車や縦列駐車を行うシステムです。

電動化製品の開発・生産体制強化

 走行安全VCは、世の中を取り巻くCASEの動きの中で、特に電動化と自動運転に力を入れています。
 電動化に関しては、今後成長が期待される電子制御ブレーキシステムや電動パーキングブレーキの開発体制や生産体制を強化しています。
 開発体制強化に向けては、既存製品のスクラップや集約による効率化を進めています。具体的には、アイシン精機のシャシー関連製品のスクラップを進め、捻出した人材をアドヴィックスの電子制御ブレーキ開発にシフトしました。また、アドヴィックスと豊生ブレーキ工業の両社で行っていた基本ブレーキ(ディスクブレーキやドラムブレーキ)開発をアドヴィックスに集約し効率化することで、捻出した人材を電動パーキングブレーキの開発にシフトしました。
 生産体制強化に向けては、電子制御ブレーキシステムに加え、自動運転に必須となる横滑り防止装置(ESC)の受注増加が予想されることから、主力生産工場であるアドヴィックスの半田工場を2019年3月ま でに6万1,600㎡増築し、10万6,000㎡にまで拡張しました。2019年5月には効率的な輸送が可能なトラックヤードなども完成し、工場内では順次生産ラインの再編や新規ラインの立ち上げを進めています。
 また、ブレーキ事業の経営基盤強化に向け、2018年2月、豊生ブレーキ工業をアイシン精機からアドヴィックスの子会社へ変更しました。これにより今後、ブレーキ事業を担う3社(アドヴィックス、豊生ブレーキ工業、ASブレーキシステムズ)は一層連携を強化し、効率的な開発体制・生産体制構築を加速していきます。

自動運転を見据えた次世代商品の開発強化

 走行安全VCではシャシー、ブレーキの開発などで 培ったノウハウを活かし、自動運転技術の開発も進め ています。  特に、2003年に世界に先駆けて市場投入した自動駐車を中心とした低速域の自動運転技術については、さらなる革新に取り組んでいます。現在進めている自動バレー駐車の開発については、駐車場事業者と協業で一般駐車場におけるカーシェア向け自動バレー駐車の実証実験を実施しています。バレー駐車とは、駐車する際に運転手に代わって専門の係員が駐車作業を行うサービスのことですが、このサービスの無人化・自動化の実現をめざしています。無人の大規模駐車場内で車両が自動走行し、駐車スペースに自動駐車するシステムを、2020年には市場投入する計画です。
 国内の自動車関連事故の約30%が駐車場で起きていると言われています。私たちはいち早く自動バレー駐車を実用化することで、駐車場での事故低減に貢献していきたいと考えています。
 また2019年4月には、アイシン精機およびアドヴィックス、ジェイテクト、デンソーの4社で、各社の強みを持ち寄り、自動運転・車両運動制御のための統合制御ソフトウェアを開発する合弁会社J-QuADDynamicsを設立しました。今後この会社を中核に、車両統合制御システムなどの開発に取り組んでいく中、アイシングループは、ドライバーモニターシステムおよび車室内モニターシステム、車両運動統合制御の開発を担っています。
 また自動運転の領域では、自前主義にこだわらず、外部との連携を積極的に活用し、開発のさらなるスピードアップを図りたいと考えています。例えば、人工知能技術では、トヨタ自動車が設立したTRI-AD(Toyota Research Institute AdvancedDevelopment)との協業により、先行技術開発を加速しています。加えて、認識ソフト圧縮技術では、人工知能モデルの設計を得意とし、量産マイコンへ搭載する技術力を有するスタートアップ企業 Ideinとの資本・業務提携により、技術開発基盤のさらなる強化を図っています。
 今後も、CASEに対応するブレーキ・シャシー製品の開発を促進し、システムで提案していくことで、競争力を強化し収益力拡大をめざすとともに、安全で安心なクルマ社会に貢献していきたいと思います。

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