価値創造の成果 - 事業報告 -

パワートレインVC

グループのリソーセスを
集約・共有し、
競争優位性を確保する

パワートレインVC プレジデント尾﨑和久

事業概要

 業界随一のラインアップを誇るトランスミッションは、軽自動車から普通自動車、小型・中型トラックおよびバス、産業車両にいたるまで幅広く搭載され、先進的な製品、技術開発により世界中の自動車メーカーへ拡販を続けています。
 また、エンジン周りの機能部品や鋳造部品も広く手がける技術的素養を活かして、燃費向上や排出ガスのクリーン化、エンジン性能の向上に貢献する技術開発を推進しています。

売上高
主要製品
1モーターハイブリッド(HV)トランスミッション

既存ATのトルクコンバータ部分に「モーター+エンジン切り離しクラッチ」を配置したハイブリッドトランスミッション。EV走行による大幅な燃費向上と、エンジンにモーター出力を追加することで、高い発進加速性を実現します。

電気式4WDユニット

モーターで後輪を駆動する電気式4WDシステムの動力を発生させるユニット。雪路など滑りやすい路面での安定した走行に貢献しています。

効率化・集約化による競争力の強化

 私たちが担うエンジン、トランスミッションといったパワートレイン製品は、現在グループの売上の約6割を占める規模の大きい事業です。この事業において、グループ内の意思統一、スムーズな経営判断を実現するとともに、効率化・集約化と電動化対応の2つの大きなテーマを掲げ、グループ一体となった活動を展開しています。VC制となってからは、生産・開発面における効率化・集約化を徹底してきました。生産面では、マニュアルトランスミッション(MT)減産に対し、自動化・電動化へ事業構造を切り替えていくという足元の課題があります。中国の唐山愛信歯輪、旧アイシン・エーアイの吉良工場(愛知県西尾市)において、市場が縮小するMTの生産ラインを集約し、オートマチックトランスミッション(AT)のラインとして活用していきます。このように、最適なリソーセスシフトを進めており、2019年4月にはMTの専門メーカーであったアイシン・エーアイとATのトップメーカーであるアイシン・エィ・ダブリュが経営統合し、ひとつのパワートレイン専門会社となりました。このような取り組みで、グループとして最も良い方法は何かという、総合的な判断をすることができるようになってきています。もちろん、両社が統合し、それぞれの会社が持つ高い生産技術や効率的な生産ノウハウなど、お互いの良いところを吸収し合うことで、より高い品質、生産性を実現可能にしています。
 今後、電動化を踏まえたリソーセスの最適化をさらに加速し、一層の競争力強化を図っていく考えです。

変化する市場を進む、アイシンの電動化戦略

 将来の成長に際し、電動化への対応はきわめて重要なテーマです。電動化が進めば部品も変化するため、開発体制の整備は大きな課題となっています。開発・生産など各セクションにおいて、集約した多くのリソーセスを電動化に振り向けていく計画です。
 電動化対応製品については、お客様の要望に沿ったラインアップの拡充を考えています。AT、MT、CVT、2モーターハイブリッド(HV)トランスミッションに加え、さらなる電動化・ハイブリッド化に向け2019年2月には乗用車用1モーターHVトランスミッションの量産化を開始しており、欧州メーカーからの販売に向けて準備を進めています。この1モーターHVトランスミッションは、従来のATの構造をほとんど変えずに、トルクコンバータと呼ばれる部品をモーターに置き換えるだけで生産が可能です。電動化により生産するトランスミッションの種類がATから1モーターHVトランスミッションに変わっても、設備投資を抑えることができます。また、電動駆動モジュール「eAxle」※1については、お客様の車種とニーズに合わせてカスタマイズできるシリーズを揃え、拡販に努めています。現在、第2世代モデルを開発中で、小型でも大出力を実現するためのモーターの進化に取り組んでおり、順次製品化する計画です。
 2019年4月には、世界ナンバーワンの電動化製品サプライヤーをめざして、デンソーとの合弁でBluENexusを設立しており、電動駆動モジュールのさらなる普及を推進していきます。
 電動化対応製品の適合※2を含めた販売拡大により、「CAFE」といった燃費規制、「NEV規制」「ZEV規制」などの電動車対応規制をクリアしていくとともに、このような製品開発により、地球環境保全にも貢献していきたいと考えています。

グローバルな開発・供給体制強化をめざして

 今後の展開としては、北米、中国を中心に電動化・ハイブリッド化を見据えた現地生産の拡大を推進します。北米では、新たなトランスミッション拠点設立を進めていきます。中国では、国策による電動化推進の動きの中でビジネスチャンスが拡大しており、電動化のニーズに応じてATのHVトランスミッションへの切り替えや、新規電動化ラインの生産能力の拡大を図ります。また、地域全体を見た現地調達化も進めていきます。
 これらの活動において、常に根底にあるのは、経営理念の基本である「品質至上」です。自動車部品の中でもパワートレイン分野は、クルマの乗り味や魅力に直結する重要な部品であり、常に高い品質が求められます。製品や技術が高度化する中でも、品質に対し徹底的にこだわり続けること、そして高い品質を維持し続けることが重要です。これからも常にお客様目線で考え、幅広い取り組みを進めていきます。。

※1 eAxleはBluE Nexusの商品です。

※2 適合:お客様ごとに異なる要求を達成するための検証および制御の最適化を行う開発プロセス。

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