贈収賄の防止のために

私たちアイシンは、「品質至上」を基本とし、世界中のお客様、取引先、地域社会、株主など関わりある全ての人達から、私たちの商品や事業の真の価値を認めていただける企業グループを目指しています。こうした私たちの目指す姿は、市場での公正な競争を通じてのみ実現しうるものです。これに反して、公正な競争から逸脱したが故に、お客様や取引先はもとより、社会の信頼すら失い、市場からの退場を余儀なくされた例は枚挙につきません。

私たちアイシンが、世界中のステークホルダーの皆様から、「かけがえのないグローバルパートナー」とお引き立ていただくためには、贈収賄その他不正な手段による利益を1円たりとも求めることがあってはなりません。

相互理解を深め、健全な信頼関係を構築していくためには、社会的・儀礼的な慣習の中で接待や贈答などを行うこともあるかもしれません。しかしながら、こうした接待なども節度を持って行わなければ、「贈収賄」とされる危険があることにも十分に注意をしなくてはならないのです。

贈収賄を含むコンプライアンスは、世界で事業活動を行っていく上での与件となっています。皆さんの一人ひとりが、これから行おうとしていることを、社会のルールや良識に照らした上で実行していくという慎重な姿勢が求められています。

以上を踏まえ、私たちの目指す姿の実現に向け、次の3点を基本方針として制定し、実行してまいります。

基本方針

  • アイシンは、公正、透明、自由な競争を行い、地域・手段を問わず、いかなる賄賂も贈ったり、受け取ったりしません。
  • アイシンは、賄賂と誤解されないよう、常に社会の視線を踏まえて接待・贈答などを実施するとともに、透明かつ公正な経理を行います。
  • アイシンは、経営トップ自らが本方針を率先垂範するとともに、社内への徹底、仕入先など関係者への周知に努めます。

2013年7月24日
アイシン精機株式会社
 企業行動倫理委員長
三矢誠

1:贈収賄の禁止

【基本方針1】
アイシンは、公正、透明、自由な競争を行い、地域・手段を問わず、いかなる賄賂も贈ったり、受け取ったりしません。

1-Ⅰ:贈賄行為とは

外国公務員を含む公務員等※1に対する賄賂は特に社会的に非難され、厳しい処罰の対象とされます。公務員等との接触については、あらぬ嫌疑や誤解を招かないよう十分な留意が必要です。公務員等に対する賄賂とは、以下の行為を言います。

  • 当社のための事業又は事業上の便宜の獲得又は維持を目的として、
  • 公務員及びこれに準じる者の職務行為に影響を与えることを意図し、
  • 当該公務員に対し、直接又は間接に、金銭その他一切の利益又は便宜を供与し、約束し、もしくは申し出、又はこれらの行為を承認すること

相手方が公務員等に該当しない場合でも、中国の商業賄賂規制等の諸外国の規制には、当社のため相手方に不正な職務行為を行わせることを意図して金銭を供与する等をした場合、これを犯罪として処罰するものもあります。※2
公務員等以外の者との接触についても、第三者の視線を踏まえ、あらぬ嫌疑や誤解を招かないよう留意が必要です。

  • ここでの公務員等には、政府系企業、国際機関や政党等の職員等、日常的な用語よりも広い範囲の者が含まれますので注意が必要です。
  • 民間の相手方への贈賄(商業賄賂)も、日本の会社法で処罰されているほか、国際的に犯罪として規制する潮流にあり、英国・中国等では犯罪として規制されています(2013年時点)。また、直接の規制がなされていない場合でも、商業賄賂にかかる贈賄は横領・背任等の犯罪となることがあります。

1-Ⅱ:代理人・エージェント・コンサルタントの使用

代理人・エージェント・コンサルタント等を起用する際には、この方針の遵守を求める※1とともに、当該代理人・エージェント・コンサルタント等の実態を正確に把握し、信頼に足りる者であるかの適格審査(デュー・ディリジェンス)※2を行ないます。

  • 取引基本契約その他契約において、適宜、反汚職表明保証条項、違反の場合の即時解除条項などの条項を導入します。当社の役員及び従業員等が、コンサルタント、取引先、子会社・関連会社等の第三者を通じて当社のために贈賄を行なった場合はもちろん、これらの第三者が当社のために贈賄を行なっていることを認識していたにもかかわらずこれを放置した場合には、自ら当該贈賄を行なった場合と同様の法的責任を問われる場合があります。
  • 上記の契約上の条項に加え、相手方に対する適格審査を実施し、正当な理由無くこれを拒む者とは契約しません。また、適格審査(デュー・ディリジェンス)の過程で懸念が生じた場合は、相手方に十分な説明を求めるとともに、それでも懸念が払拭できない場合は起用そのものを見直します。

1-Ⅲ:支払いを余儀なくされた場合の対応

相手方から賄賂を要求され、支払い以外に現実的な代替手段がなく、支払いを余儀なくされた場合には、可能な限り具体的かつ正確な支払記録を作成・保管するとともに、速やかにコンプライアンス担当部署へ報告してください。

【生命・身体・自由が危険に曝されている場合】

生命・身体・自由が危険にさらされている場合には、自己の生命等の保全を最優先としてください。

  • 生命・身体・自由が危険にさらされ、支払い以外にこれを回避する現実的な手段が考えられない場合には、自己の生命等の保全を最優先し、支払いを行ってください。
  • 支払いを行なった場合には、日時、場所、相手方、金額、支払いを余儀なくされた理由・経緯についての、可能な限り具体的な記録を作成するとともに、速やかにコンプライアンス担当部署に報告してください。
【その他公務員等から金銭等の支払いを要求された場合】

一部の国・地域では、公務員への「心付け(ファシリテイション・ペイメント)」※1が、事実上黙認又は慣習化していることもありますが、こうした「心付け」も賄賂であり、当該国・地域の文化・慣習に関わらず禁止します。

<「心付け」を要求される例>

  • 正当な理由なく、ビザその他証明書等の発行が拒否される。
  • 正当な理由なく、船荷の積み下ろしや通関を拒否される。
  • 特に明確な理由もなく、不自然に頻繁な身分証等の提示を要求される。
  • ガス・電気・水道の供給を拒否される。

しかし、支払いを余儀なくされる場合も考えられます。その場合には下記の手続に従ってください。

  • 相手方に対して、支払いの法的根拠を明示する書面の交付を求めてください。書面の交付が無い場合には、アイシンでは「心付け(ファシリテイション・ペイメント)」を含む一切の贈賄が禁止されていることを相手方に伝え、支払いを拒否してください。
  • 支払いの根拠の明示なく、なお支払いを要求される場合には、合理的な範囲で支払への抵抗を試みてください。
  • 全ての合理的な抵抗を行なったにもかかわらず、支払い以外に現実的な代替手段が無い場合には、支払いもやむを得ないものと考えられます。
  • 支払いを行なった場合には、日時、場所、相手方、金額、支払いを余儀なくされた理由・経緯についての、可能な限り具体的な記録を作成するとともに、速やかにコンプライアンス担当部署に報告してください。
  • 日常的な公務を円滑化するための少額の支払いを指し、「(公務員への)チップ」、「グリース・ペイメント」、「スピード・ペイメント」等とも呼ばれることもあります。

1-Ⅳ:収賄

相手方を問わず、賄賂を受取ることも禁止されます。※1
また、接待や贈答の趣旨が不明確で、受取りに問題があると思われる場合には辞退してください。

  • 商業賄賂規制には多くの場合、収賄規制も含まれます。直接の規制がなされていない場合でも、商業賄賂にかかる収賄は、会社法上の贈収賄罪や横領・背任等の犯罪となることがあるのは贈賄と同様です。

2:適切な接待・贈答と透明・公正な経理

【基本方針2】
アイシンは、賄賂と誤解されないよう、常に社会の視線を踏まえて接待・贈答などを実施するとともに、透明かつ公正な経理を行います。

2-Ⅰ:適切な接待・贈答の実施

接待・贈答に際しては、相手方の役職・地位などに応じた歓待を行う一方で、節度を保ち、社会的良識に照らして適切といえるかどうかを個別具体的に検討してください。適切性について疑問がある場合は、適宜、コンプライアンス担当部署へ問い合わせてください。
また、必要な事前・事後の社内手続を経るとともに、適切な記録管理を行ってください。

【公務員への接待・贈答の基準】

(接待・贈答参考額)

各国公務員への接待等については、各国法令等で基準額が定められている場合がありますので注意してください。

(実施時期の制限)

許認可申請中は許認可に関係する公務員に対する接待・贈答の実施を禁止します。これは、重大な利害にかかわる判断がなされる時期での接待等は、そうした判断に関連付けてなされているとの誤解をまねく危険が大きいものと考えられるためです。
また、許認可の申請期間前後3ヶ月は許認可に関係する公務員に対する接待・贈答の実施を控えてください。この期間中での実施を行う場合には、コンプライアンス担当部署へ確認を行ってください。

【接待・贈答についての注意点】

(個別具体的な適切性の判断)

接待等の実施に際しては、その適切性を個別具体的に検討してください。適切性について疑問がある場合は、適宜、コンプライアンス担当部署へ問い合わせてください。
下記は、適切性について疑念を惹き起こすおそれのある事情の例です。これらに該当する場合には、接待等の趣旨・目的について第三者からの誤解を招かないように特に配慮する必要があると考えられます。

<キーパーソンへの接待等の実施>

アイシンにとって重大な利害にかかわる判断を行う権限・地位を有する相手方(キーパーソン)への接待等は、そうした判断に関連付けてなされているとの誤解をまねきやすいものと考えられます。こうしたキーパーソンへの接待等に際しては、接待等の実施者や実施目的を社内手続に従って適切に記録化しておくことに特に留意してください。

  • 大口得意先の調達担当責任者
  • 重要な許認可等を担当する公務員 など

<頻繁な接待の実施>

個々の接待等が、それ自体では適切なものであっても、短期間で繰り返し行われている場合には、それら一連の接待等が全体として不適切なものと考えられることがあります。すなわち、形式的に分割することで、実質的には本来実施してはならない範囲での接待等の実施をなすものとの考えられることがあります。同一の相手方に対しての接待等に際しては、前回の接待等からある程度の期間の経過を待つなどの配慮を行ってください。

(接待費用の支払方法)

接待費用を支払う場合、事前支払又は請求書払い等をして、接待の相手方への金銭の支払いを避け、相手方の手元に金銭が残らないように心がけてください。

(家族等の同伴)

接待に際して、家族・親族等の同伴は原則として認められません。
また、家族等のみを接待することは認められません。

(周辺観光地への案内等)

周辺観光地への案内等は、工場視察等の相手方の本来的な職務に付随すると認められる範囲で認められます。付随するか否かの判断に際しては、下記の観点からの検討を行ってください。

<周辺観光地への案内等についての考え方>

  • 視察等の日程の都合上、不可避的に生じる空き時間の利用と言えるか。
  • 行程全体と比較して、案内等のために要する費用、時間、移動距離のそれぞれが個々に相当な範囲内にあるといえるか。
  • 相手方の地位・役職、出身国、訪問回数や取引内容に照らして、ビジネスに関しての直接の情報提供のみならず、広く文化・社会についての紹介を行なう必要があるといえるか。
  • 必要に応じて、視察の日程等についてあらかじめ相手方所属企業・官庁等からの了承を得ているかを相手方に確認する等、透明性が確保されているといえるか。

(贈答品の選定)

贈答品は、その使用目的や使用方法が特定・限定されるものを選ぶように心がけてください。使用目的や使用方法が限定されないものを贈答した場合、不適切な目的のために贈答をなしたものとの疑惑を惹き起こすおそれがあります。

<贈答品選定の考え方>

  • 食品や消耗品等の比較的短期間で消費されるものは望ましいと考えられます。
  • 金銭の贈答は禁止されます。また、有価証券・貴金属など流動性・換価性の高いものも控えてください。

2-Ⅱ:適切な経理処理

接待・贈答実施の際には、事前・事後の社内手続を遵守し、日時場所、相手方、目的、金額、接待等の内容を具体的に明らかにし、正確な経理処理を行なってください。

3:経営トップの率先垂範

【基本方針3】
アイシンは、経営トップ自らが本方針を率先垂範するとともに、社内への徹底、仕入先など関係者への周知に努めます。

経営トップは、この方針を率先垂範するとともに、グループ・関係会社を含めた従業員一人ひとりに至るまで、その精神を浸透させるよう努めます。また、仕入先など関係者へも適宜情報提供を行うなど周知に努めます。
この方針に反するような事態が発生した時には、経営トップ自らが問題を解決するために必要な措置を講じるとともに、自らを含めて厳正な処分※1を行ないます。

  • 社内の違反者に対しては、就業規則等に従い、懲戒解雇を含む処分を行ないます。また、社外の違反者に対しては、契約等に照らし、契約解除、取引の停止等の対応を行ないます。

4:問い合わせ先

このガイドラインや贈収賄に関して疑問・不明点がある場合には、コンプライアンス担当部署に速やか報告・相談をしてください。

コンプライアンス担当部署

法務部 コンプライアンスグループ

企業倫理相談窓口

企業倫理相談窓口では、贈収賄を含む、企業倫理に関する相談を受け付けています。匿名での相談も可能です。

フリーダイヤル:
0120-011-157(電話・FAX)

eメールアドレス:
kr-sogo@lad.aisin.co.jp

このガイドラインは、適宜外部専門家の検討を求めた上で定期的に見直し、内容の追加・修正を行います。最新版は、aicom(法務部HP:http://10.88.1.10/kigyoukoudou.htm)上に掲載されます。

このガイドラインが扱う贈収賄規制は、近年大きく変化しつつある領域です。こうしたことから、このガイドラインを含む社内展開情報以外にも、広く最新の情報を確認してください。