コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

アイシングループでは、 企業価値の最大化に向けて、すべてのステークホルダーと良好な関係を築き、長期安定的に成長し、発展していくことをめざしています。その実現には、国際社会から信頼される企業市民として、公正で透明性の高い経営活動を展開することが重要であると考えており、「コーポレート・ガバナンスの基本方針」に基づき、コーポレート・ガバナンスを実践しています。また、事業・経営環境の変化などを踏まえ、継続的な実効性の検証、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めています。

基本方針

  1. 株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに、適切な権利行使に係る環境整備や権利保護に努めます。
  2. 株主以外のステークホルダー(お客様、仕入先、従業員、地域社会等)と、社会良識をもった誠実な協働に努めます。
  3. 法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報も主体的に発信し、透明性の確保に努めます。
  4. 透明・公正かつ機動的な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努めます。
  5. 株主とは、当社の長期安定的な成長の方向性を共有した上で、建設的な対話に努めます。

コーポレート・ガバナンス体制

当社グループは監査役制度を採用しており、取締役会による経営監督の強化、執行役員制度による経営執行の効率化を図っています。また、的確・迅速・公正な意思決定を一層促進するため、2019年6月より独立社外取締役が3分の1以上を占める経営体制としています。取締役・執行役員の指名・報酬については、社外取締役が過半数を占める役員人事審議会および報酬審議会において検討・審議し、取締役会に上程することで、独立性や客観性を高めています。

コーポレート・ガバナンス体制
コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス向上への取り組み

2020年4月1日より、執行役員異動時の機動的な体制変更を可能にするために、執行役員制度に社長執行役員を新設しました。また、2020年6月16日の株主総会にて定款一部変更の件が承認可決され、当社執行役員からも社長を選定できるものとし、役員体制における意思決定と業務執行の役割の明確化のため、取締役副社長の役職を廃止するなどコーポレート・ガバナンスのさらなる強化に向けた見直しを行いました。

取締役会

取締役会、監査役会、役員人事審議会、報酬審議会出席メンバー

(◎ 議長 〇 出席メンバー)

取締役会 監査役会 役員人事審議会 報酬審議会
取締役 取締役会長 豊田 幹司郎      
取締役社長 伊勢 清貴  
取締役 三矢 誠  
取締役 水島 寿之      
取締役 尾﨑 和久      
取締役 大竹 哲也      
取締役 小林 敏雄
社外独立
 
取締役 原口 恒和
社外独立
 
取締役 濵田 道代
社外独立女性
 
監査役 常勤監査役 名倉 敏一    
常勤監査役 堀田 昌義    
監査役 加藤 光久
社外
   
監査役 小林 量
社外独立
   
監査役 髙須 光
社外独立
   

社外役員比率

取締役会
取締役会
監査役会
監査役会
役員人事審議会
役員人事審議会
報酬審議会
報酬審議会

1取締役会

アイシン精機およびアイシングループの経営に関わる重要事項の決議、業務執行の監督にあたっています。

開催回数 15回/年

2監査役会

取締役の職務執行を監査するとともに、各部門の業務執行状況を聴取し、経営や業務執行が適正なものであるかどうかを検証しています。

開催回数 14回/年

3役員人事審議会

役員制度・体制に関する基本方針を検討・策定しています。また、基本方針に基づき、取締役会に上程する取締役・監査役の選解任案を審議しています。

開催回数 3回/年

4報酬審議会

報酬制度や報酬決定に関する基本方針を検討・策定しています。また、基本方針に基づき、報酬体系や役職ごとの水準案を審議しています。

開催回数 3回/年

5会計監査人

会社法に基づく会計監査人および金融商品取引法に基づく会計監査にPwCあらた有限責任監査法人を起用しています。

6サステナビリティ会議

全てのステークホルダーの支持と信頼を獲得し、グローバルで存在感のあるアイシングループと社会の持続的発展に寄与することをめざし、SDGsを始めとするESG戦略に関する活動の方向性を議論・決定しています。取締役社長を議長とし、副社長、担当執行役員に加え、アイシングループ中核5社の取締役社長で構成されます。

開催回数 1回/年

※開催回数は2019年度実績

取締役・監査役の選解任に関する方針と手続き

当社の取締役会は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、的確・迅速・公正な意思決定が行われるよう、業界の内外を問わず高度な専門性を有する人材を社外取締役として複数選任すること、効率的な連結経営を意識し、主要な子会社の取締役を当社取締役に選任することなどを総合的に勘案し、知識・経験・能力のバランスが最適になるよう取締役の選解任を決定しています。

指名および選解任にあたっての手続きとしては、社外取締役が過半数を占める「役員人事審議会」での検討・審議を経て、取締役・監査役候補者として選出しています。取締役については取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議した上で決定しています。また、監査役については取締役会での内定の決議を踏まえ、監査役の合意を経て、株主総会で審議した上で決定しています。

取締役・監査役の専門性および経験

  企業経営 業界の知見 技術開発 生産技術・製造 営業・調達 財務・会計 法務・CSR 海外経験
取締役会長 豊田 幹司郎        
取締役社長 伊勢 清貴        
取締役 三矢 誠      
取締役 水島 寿之          
取締役 尾﨑 和久          
取締役 大竹 哲也        
取締役 小林 敏雄          
取締役 原口 恒和            
取締役 濵田 道代            
常勤監査役 名倉 敏一      
常勤監査役 堀田 昌義        
監査役 加藤 光久          
監査役 小林 量              
監査役 髙須 光              

取締役会での主な報告・議案件数

(2019年7月〜2020年6月)

  議案 報告 合計 割合
経営戦略・サステナビリティ・ガバナンス関連 16 11 27 35%
決算・配当・財務関連 13 2 15 19%
内部統制・リスクマネジメント・コンプラ関連 0 2 2 2%
人事・指名・報酬・組織変更 20 0 20 26%
個別案件 0 14 14 18%
合計 49 29 78 100%

取締役会の活性化に向けた取り組み

当社取締役会は、各取締役が自らの知見・経験等を発揮し、経営活動に活かしていくことが重要と考え、社外取締役を含め活発な議論が行われるよう努めています。

経営の監督と執行の分離

  • 経営体制のスリム化
  • 多様性および知識・経験・能力のバランス確保

十分な審議時間の確保

  • 取締役会付議基準等の見直し
  • 社外取締役への議案等の事前説明
  • 取締役会開催の年間スケジュール化

情報共有・連携体制強化

  • 経営委員会など重要会議等の審議内容の共有
  • 意見交換会、懇談会、研修会等の開催
  • 社外役員による国内外子会社等の視察

取締役会の実効性評価

当社は、複数の社外取締役を取締役会のメンバーに加えることにより、取締役会としての判断や会議運営など、取締役会全体の実効性を担保していくよう努めています。取締役会全体の実効性については、すべての社外取締役と社外監査役にヒアリング調査を実施し、その結果に基づき、改善に努めています。

2019年度の評価・課題

2019年度末に実施したヒアリング調査においては、当社取締役会は「全体として実効性は向上している」という評価を頂きました。肯定的な項目として、「重要案件に関わる議論が活性化した」「十分な支援体制がある」等が挙げられました。また、課題として「戦略やリスクに関する意見交換や現場視察についてのより一層の充実」等が挙げられました。

改善策・今後の取り組み

課題として挙げられた意見交換機会の充実に向けては、社外取締役と執行役員との自由討議の場を適宜、設定しております。具体的には、脱炭素社会に向けたエネルギー事業戦略や当社グループの研究法人のあり方など、幅広いテーマを議論し、助言を頂いております。また、現場視察については、新型コロナウイルス感染症の終息状況を見ながら、適切な時期での実施を検討しております。

内部統制強化の取り組み

内部統制の整備においては、取締役会で決議した「内部統制に関する基本方針」に基づき強化を図っています。

具体的には、主要グループ会社が参画する「(連結)企業行動倫理委員会」「(連結)危機管理委員会」「(連結)環境委員会」「(連結)安全衛生委員会」などで、業務執行の適正化とリスク最小化に向けた基本方針の策定・展開、各種ガイドや研修を通じた周知徹底、実務活動を実施しています。また、実効性を現地・現物で確認するために、委員会によるモニタリングを行っています。内部監査部署による監査活動では、2018年1月からグループ主要13社の監査機能をグループ本社に集約し、グループの監査体制強化を図りました。今後はすべての連結子会社を定期的に現地・現物で監査していく計画です。

これらの内部統制の整備と強化に向けた活動の総括は、毎年4月に開催される取締役会で報告され、その適正性が確認されています。

独立社外取締役の判断基準および資質

当社は、以下の役割・責務を果たすことを期待し、独立社外取締役を選任しています。

  • これまでの経歴で培われた専門的な知識・幅広い経験等を当社の経営に活かす。
  • 取締役会等での重要な意思決定の場において、中立・公正な立場から、リスクへの警鐘や助言を提供する。
  • 会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反を監督する。
  • 社外の声を取締役会に適切に反映する。なお、社外取締役の候補者選定にあたっては、会社法および東京証券取引所の独立性に関する要件に加え、当社の経営に対し率直かつ建設的に助言し監督できる高い専門性と豊富な経験を重視しています。

社外役員との情報共有

当社では、社外取締役・社外監査役が独立した客観的な立場から役割・責務を実効的に果たしていただくことが当社経営において重要と考えており、取締役会等で有意義な議論ができるよう、社外取締役には、毎月定例で経営トップ・監査役との懇談会を設定しています。

社外取締役・社外監査役の会社事業や機能等の理解促進に向けて、工場、テストコース、関連会社の視察や、各本部・部門の担当役員・部長との懇談の場を設け、情報交換・認識共有が図れるよう努めています。

また、社外取締役・社外監査役が必要とする情報を的確に提供するため、社外取締役・社外監査役との連絡・調整にあたる特定のスタッフを総合企画部、監査役室等に配置しています。

役員報酬

役員報酬の基本的な考え方

  • ①当社グループの経営理念および経営方針の実現に向けた取り組みの動機付けとなる報酬内容とする。
  • ②各々の役員が担う職責・成果等を反映する。
  • ③当社グループの経営環境や短期・中長期の業績状況を反映し、企業価値の向上や株主と同じ目線に立った経営の推進につながる報酬体系とする。

役員報酬構成

取締役(社外取締役を除く)の報酬は、業務執行を担う役割のため、固定報酬である月額報酬と業績に連動する賞与・株式報酬の報酬構成としています。

なお、社外取締役および監査役の報酬は、独立した立場で経営に対する監督や助言あるいは業務執行を監査する役割を担うことから月額報酬のみとし、賞与および株式報酬の支給はありません。

取締役および監査役の報酬等の体系と構成

報酬の種類 取締役
(社外取締役除く)
社外取締役 監査役 支給方針
固定報酬 月額報酬 50% 100% 100% 取締役については職責、経験および他社の動向を、監査役については職責および他社の動向を反映させた報酬としています。
業績連動報酬 賞与 35% 各期の業務執行の成果としての連結営業利益額をベースとし、配当、従業員の賞与水準、他社の動向および過去の支給実績などを総合的に勘案の上、決定しています。なお、2020年3月期賞与は、連結営業利益561億円(実績)をベースに決定しています。
株式報酬 15% 株主とのさらなる価値共有を進め、企業価値の持続的な向上を図るためのインセンティブとして、譲渡制限付株式報酬を支給しています。

取締役および監査役の報酬等の額

区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額
(百万円)
対象となる役員の員数
(人)
固定報酬 業績連動報酬
月額報酬 賞与 株式報酬
取締役(うち社外取締役) 434(41) 309(41) 78(-) 45(-) 15(3)
監査役(うち社外監査役) 135(33) 135(33) -(-) -(-) 5(3)
569 445 78 45 20
  • 上記には、2019年6月18日開催の第96回定時株主総会終結のときをもって退任した取締役6名を含んでいます。
  • 賞与は、2020年4月30日開催の取締役会決議の金額を計上しています。
  • 株式報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対し交付した譲渡制限付株式に関し、当事業年度に費用化された金額を計上しています。
  • 取締役の月額報酬および賞与の報酬総額は、2019年6月18日開催の第96回定時株主総会にて、年額6億円以内(うち社外取締役分 年額75百万円以内)と決議されています。
  • 社外取締役を除く取締役の株式報酬の報酬総額は、2019年6月18日開催の第96回定時株主総会にて、年額1億円以内と決議されています。
  • 監査役の月額報酬は、2010年6月23日開催の第87回定時株主総会にて、月額15百万円以内と決議されています。

役員報酬の決定方法

取締役の報酬については、社外取締役が過半数を占める「報酬審議会」にて、適切な役員報酬が支払われるよう報酬体系や決定方法等の検討とともに役職ごとの金額を審議した上で、取締役会にて決定しています。

また、各監査役の月額報酬額は、監査役の協議により決定しています。

保有株式

政策保有株式の保有に関する基本方針

当社が行う自動車部品事業や住生活・エネルギー関連事業において、激しい競争を勝ち抜き、今後も成長を続けていくためには、開発・調達・生産・物流・販売のすべての過程において、様々な企業との協力関係が不可欠であると考えています。このため、当社は、事業戦略、取引先との事業上の関係などを総合的に勘案し、企業価値を維持・向上させるための中長期的な視点に立ち、政策保有株式を保有しています。なお、当社は、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする純投資目的の投資株式を保有していません。

保有適否の検証方法

当社は、必要に応じて、保有先の企業と企業価値の維持・向上や持続的成長を促す観点からの建設的な対話を行い、経営上の課題の共有や問題の改善に繋げています。また、毎年の取締役会ですべての政策保有株式について、資本コストを踏まえた保有の便益とリスクなどを考慮して、そのリターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有の狙い・合理性について具体的な説明を行っています。一方で、当社の中長期的な企業価値の維持・向上に資すると認められない株式がある場合は、縮減を検討します。個別銘柄ごとに直近の取引規模および当社の加重平均資本コストと比較した配当利回り・保有先企業のROE等の定量面と保有目的および事業方針に基づいた今後の取引関係・事業展開等の定性面を総合的に勘案し、2020年5月の取締役会で保有の適否を判断しています。

当社が保有する政策保有株式

  銘柄
貸借対照表計上額
(2020年3月31日)
2019年度に株式数が
増加した銘柄
2019年度に株式数が
減少した銘柄
非上場株式 50銘柄
17,095百万円
1銘柄
4百万円
-
非上場株式
以外の株式
24銘柄
92,636百万円
- 2銘柄
1,795百万円

※2019年度において株式数が増加した銘柄の増加理由は、当社グループの中長期的な企業価値の維持・向上のために必要な株式を取得したことによります。

議決権行使の基準

当社は、議決権の行使は、定型的・短期的な基準で画一的に賛否を判断するのではなく、当該投資先企業の経営方針・戦略等を十分尊重した上で、中長期的な視点での企業価値および株主還元の維持・向上につながるかどうか等の視点に立って判断を行います。

議決権行使にあたっては、投資先企業において当該企業の発展と株主の利益を重視した経営が行われているか、反社会的行為を行っていないか等に着目し、議案ごとに確認を行います。加えて、株主還元、授権資本の拡大、買収防衛策、事業再編等については必要に応じて個別に精査した上で、当該企業との対話等の結果を勘案し、議案への賛否を判断します。

また、当社の株式を保有している企業から株式の売却の意向を示された場合には、その売却を妨げません。

株主の権利・平等性の確保

株主の皆様が議決権行使にあたって適切な判断を行うことができるよう、株主総会決議事項等に関する十分な検討期間の確保や公正かつ適時適切な情報開示に努めています。また、議決権行使の環境整備に努め、実質株主を含む外国人株主、少数株主など様々な株主の権利・平等性の確保に努めています。

コーポレートガバナンス・コードへの対応

当社は、コーポレートガバナンス・コードの各原則全てを実施しており、株式会社東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンス報告書に詳細を記載しています。
当社のコーポレートガバナンス報告書の日本語版については、下記をご覧ください。

▶コーポレートガバナンス報告書はこちら