●あらゆる状況で区画線を認識せよ

 後方カメラで映した画像から区画線を検出し、自動で駐車目標位置を設定する際に最大の課題となったのは、様々な状況の中で常に安定して区画線を認識することだった。
 駐車場には、走行中の路面よりも、画像認識を難しくする多くの要因や様々な状況がある。たとえば隣に停まっている車や建物の影の影響もあれば、路上の汚れで線が見えにくい場合もある。区画線の幅、形も千差万別だ。路上の状態によって区画線の見え方が常に変化するために、認識位置の精度・認識成功率が低下してしまうのだ。

 区画線認識だけに特化して対策を練るならば、どんな状況においても区画線の認識が可能な特殊なカメラを使えばいいが、今回はそうはいかない。区画線を認識すると同時に、カメラの映像をドライバーに見せなくてはならないからである。カメラ側で対応できないということは、それを画像処理する側、ソフトで対応するしかない。

 まず、当社とトヨタ自動車の開発メンバーたちは、駐車区画線の形状の調査にあたった。様々な駐車区画に対応するためには、とにかくサンプルとなる映像を集めなくてはならない。ショッピングセンター、病院、空港からパチンコ店まで、メンバーたちは実に100以上の施設に赴き、実際に車庫入れを行い、新システムに搭載するカメラを用いて画像を撮影した。
 画像を撮っては社内に持ち帰り、実車を用いて実験をする。その結果を分析して認識プログラムを改良。また実車に搭載して試験…。地道な作業の繰り返しで少しずつ、しかし着実に区画線の認識率は上がっていった。

 そして、試行錯誤を始めてから約半年後、目標の認識率を達成。人間の目と同等の区画線検出性能を実現した。さらに、検出と同時に区画線が直線型なのかU字型なのかの形状の区別もできるようになっていた。

あらゆる区画線サンプル映像を集めた

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