●乗車人数で36cmもの誤差が…
 駐車精度を上げろ!

 新しい駐車支援システムの実現に向けての課題は山積みだった。なかでも、最大の課題は駐車位置の精度だった。位置の測定やハンドルの制御で少しずつ誤差が積み重なっていき、時には数十センチも駐車位置がずれてしまっていた。

 どうすれば、駐車精度が上げられるか。それにはまず、車の位置を正確に把握する必要があるのだが、これが容易ではなかった。トヨタ自動車と当社の開発チームは頭を抱えた。
 実はこの課題については、トヨタ自動車側で開発当初から取り組んでおり、駐車誤差の原因をしらみつぶしに調査していた。

 アイシン側の開発チームでも、原因究明に奔走。当社が担当している分野で、駐車誤差を生む原因の一つになっているとわかったのは、車の後ろ側を映すために使用していたCCDカメラの視点変化だった。
「人がたくさん乗っていたり、物が積まれていたりするとカメラの位置、つまり視点が変わってしまい、それが誤差につながるわけだ」
 車に積載されている物の量や位置、路面の状態、タイヤの空気圧、摩耗度によって、カメラの視点が微妙に変化して、これが誤差を生むのである。わずかなズレかもしれないが、センチ単位の精度が求められる駐車システムの場合、それが致命傷になるのだ。

 実際にプリウスを使って、ドライバー一人の場合と、乗員5人の場合とを比較したところ、最大で36cmもの誤差が発生することがわかった。
「36cmも!従来のバックガイドモニターでは限界があるかもしれない」
 悩んだ末に着目したのは、ヘッドライトに使われていた車高センサーだった。車高の変化に応じて、ヘッドライトの照射角度を制御するためのセンサーだが、これを応用しようというわけだ。車高センサーからの信号でカメラの視点の変化を補正して、目標位置の設定誤差を修正するのである。

◇誤差発生の原因、視点変化

乗車人数などが多くなると、車体が沈み込み、後部カメラの駐車目標の設定に誤差が生じる。

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