●ハンドル操作なしで駐車できるシステムを!

 「ハンドル操作なしで車庫入れができるシステムを開発したい。協力をお願いしたいのだが…」 トヨタ自動車からこのような要請があったのは、01年初めのことだった。実現すれば世界初のシステムである。
「まさに夢の装置!それに自分が関われるとは」 入社3年目でプロジェクトの主要メンバーとなった技術部員は、心が躍るのを抑え切れなかった。彼はこの後、この新しい駐車支援システム開発のアイシン側の取りまとめ役となる。

 トヨタ自動車からこうした依頼があったのには理由がある。当社には、その新しいシステムの構築に不可欠な画像処理技術やシステム開発の実績があったのだ。
 80年代半ばから当社は、川崎市に設立した研究所で、画像処理技術の研究・開発に取り組んでいた。そこで蓄積された技術から製品化されたものの一つが、「駐車アシストシステム(バックガイドモニター)」であり、これは00年1月に発売されたトヨタ・エスティマに搭載されていた。
 さらに、「レーン逸脱報知システム」や「フロント&サイドモニター」(運転席から見通しの悪い車前方や左側方をディスプレイに映し出すシステム)などの車両周辺監視システムをトヨタ自動車と共同で製品化していた。

 これまでに蓄積された、これらの技術やノウハウを生かして、アイシンは新しい駐車支援システムのコントロールユニットの開発を担当することになった。

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