●日本から海外へ。韓国でトップシェア獲得

 10馬力のGHP、そして配管洗浄レスのリニューアル対応機の登場により、当社への汚名は完全に返上されることになった。98年には20馬力の大型機を投入し、00年には販売額が100億円を突破した。国内では、市場は着実に拡大していた。
 そこに目をつけたのがファッションシステム部グローバルソーインググループの営業担当だった。同グループは、それまで輸出されてこなかった事業部内の商品の輸出や海外調達を目的に、北米法人の社長から本社に戻っていた専務によって新設されたもので、これからは海外市場を開拓していかなければ事業の先行きはないという危機感を抱いていた。ミシン以外の商品の輸出も増やしたい同グループにとって、GHPは実に魅力的だったのである。
 しかし、どこが一番売りやすいか。
 そんな担当のもとに届いたのが隣国・韓国からの「学校につける空調機にGHPを指定。今後4年間で400億円の予算をつける」という情報だった。
 海外では何の実績もなかったのに、いきなり400億円市場が誕生するというのである。すぐさま営業担当と開発担当は韓国へ飛んだ。

 韓国でも電気料金が高く、ガス料金が低く抑えられており、その料金差は日本より大きい。GHPの普及する余地は確かに大きい。
 営業担当たちが訪ねたのは韓国政府の調達庁だった。面会できた担当者は公に発表していない以上、明言はできないという態度だったが、現場レベルでは具体的な話を聞くことができた。ソウルやソウル近郊では急激な人口の流入があり、学校の建築ラッシュが始まっている。当然、環境にやさしいGHPが採用されることになるだろう…。
 「これはいける。市場が生まれる」
 という感触を得た担当は韓国の会社とアライアンスを組むのが最適と判断した。
 こうして当社は韓国初の学校入札に参加し、初受注にこぎつけた。01年、韓国におけるGHP市場の扉が開かれた瞬間だった。
 その後、サムスン物産やリンナイ・コリアなどが販売代理店として加わり、民間への普及も進んだ。その結果、現地での04年の市場占有率は50%超とトップシェアを占めるまでになった。
 日本の国内市場が成熟しつつあるのに対し、韓国ではGHPの拡販が依然として進んでおり、04年には年間50億円にのぼっている。

 商品バリエーションが5馬力から25馬力まで8種類に増えたことに加え、こうした韓国での拡販努力により、04年におけるGHPの販売額は164億円に達している。

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