●成功の秘訣は、あきらめないこと

 反響は大きかった。ベッド業界に衝撃を与えたことは当然のこととして、「寝返りがしやすい」というコンセプトのユニークさが受け、一般ユーザーからも脚光を浴びた。新聞や地元のテレビ局からの取材も相次いだ。

 販売成績も反響の大きさを裏づけるものだった。販売開始当初こそジェルマットレスの販売数に届かなかったものの、03年度にはジェルの減少分をSFFが補填し、04年度以降はジェルとSFFの合計販売数が増加に転じ、V字回復を果たした。新しいカテゴリーを打ち立てる、すなわちカテゴリービルドを可能にするオンリーワン商品をめざすという当初のねらいは確実に達成しつつあるのだ。

 リターンマッチでの勝利。それを可能にしたのは、一つには内藤が言うように「豊富な技術蓄積と、それを生かせる環境のよさ」もあっただろう。しかし、ことSFFに関しては山田が言う「目標に自信を持ち、そしてあきらめないこと」の方が大きかったのではないか。開発テーマから外された時点であきらめてもおかしくなかったし、実際にあきらめても誰も非難はしなかっただろう。しかし、メンバーはあきらめなかったのだ。

 かつてこんなことを言った技術者がいる。
 「私は決して失敗しない。なぜなら、成功するまであきらめないからだ」
 そんな言葉を胸に、メンバー達は「さらに進化したスーパーフレックスフィットマットレスの開発」という次のテーマに向けた挑戦を始めている。


※文中の所属・役職は当時のものです。

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