●生産と開発の知恵を結集して、
 衝突安全性・軽量化を実現した電動コラム完成

 最終構想が近づきつつあった。
 しかし、まだ乗り越えなくてはいけない大きな山があった。その一つが、衝突安全性を確保するための部品構成だった。
 開発要件であったコラムカバー内の下側隙間の確保と衝突時のコラムストローク確保のため、メカ構成の簡素化を行う必要がある。そこで開発メンバーは駆動モーターの位置を大幅に変更し、また遠隔操作シャフトを廃止するという決断をした。これによってコラムカバーとの隙間とコラムストロークを確保しようというのである。
 が、まだ十分ではない。
 次は部品点数の削減だった。ひねり出した案はチルト機構とテレスコ機構の駆動ユニットを共通化することだった。これなら部品点数を大幅に減らすことができ、軽量化にもなる。
 コスト対策にも力を注いだ。共同開発という形をとっているとはいえ、構造設計は当社の開発分担領域である。そこで開発メンバーは半田工場、原価、調達の関係者と何度も原価検討会を実施。最終的には部品の種類で35%、点数で15%、重量も従来比で約25%も減らすことに成功した。
 生産関係者と開発に携わった技術者たちによる、まさに「知恵の結集」がもたらした成果だった。

 2000年初め、これまでの成果を結集した最終構想をトヨタに提案。そして審査の結果、当社の設計案がほぼ全面的に認められ、02年11月発売のレクサスGX470以降、全ての電動コラム設定車種に採用されることが決まった。これまでの衝突実験や剛性解析技術などのノウハウが他車種展開に生かされたのは言うまでもない。

レクサスGX470向け電動コラム
(ECU一体シンプルメカ型)

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