●トヨタ内製部門との激しい攻防

 話は1982年までさかのぼる。
 この年、当社はトヨタ自動車で内製していた手動式コラムの技術を取り入れ、マイコンシートの開発実績のあった車体系事業部で電動コラムの開発に着手していた。この電動コラムは85年、トヨタ・クラウンに搭載され、チルト・テレスコ機能を複合させた電動コラムとしては世界初の量産化を果たした。

 しかし、トヨタ自動車の内製部門でも独自に開発・生産をしていたため、お客様であるトヨタ自動車と競合することとなったのである。 とくに90年代半ば以降、この競合は激しさを増した。両社は方式も異なった。当社がDCモーター型であるのに対し、トヨタ自動車が超音波モーター型。技術的にも対照的な取組みがなされていた。

 その後当社は、センサー内蔵型ECUを世界で初めてコラム一体搭載する等の小型化を図り、97年夏のアリストの受注を獲得。その他の車種展開も果たしたが、トヨタ内製部門も超音波モーター型で量産を開始し、両者の一進一退の攻防が続いた。当然ながら、当時の操舵・懸架系事業関係者にとって満足できる状況ではなかった。それは、そこにさらにもう一つの事情が絡んでいたからだった。

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