●利便性と安全性を実現する世界一の電動コラムを作り出せ!

 クルマを運転するときの運転姿勢やステアリングホイール(ハンドル)の位置はきわめて大切である。無理な姿勢が続くと疲労がたまるし、事故の危険性も高まる。
ところがドライバーの体格は人によって異なるため、最適なポジションを得ようとするとハンドルの角度や距離を調整する必要が出てくる。これらを可能にするのが、チルトステアリングやテレスコピックステアリングコラムである。

 ステアリングコラムの役割は、最適なドライビングポジションの実現のほかにも、ハンドル操作の前輪への伝達や、衝突時に人体にかかる衝撃エネルギーの吸収、さらには駐車時のハンドルロックによる盗難防止などがある。
小型化や運転時の快適性だけでなく、高い安全性能を持つこともステアリングコラムには求められているわけだ。

 そのステアリングコラムの電動化で世界に先鞭をつけたのが当社だった。
1985年、ハンドル上下の角度(チルトステアリング)と前後の距離(テレスコピックステアリング)を電動で調節することのできる「電動チルト&テレスコピックステアリングコラム(電動コラム)」を世界で初めて量産化したのである。

 だが、電動化に先がけたとはいえ、その後は順調というわけにはいかなかった。90年代半ば以降、トヨタ自動車の内製部門との競争が激化。他の製品も含めて操舵・懸架事業の売上げは思うように伸びず、走行系事業の屋台骨はブレーキ製品が支えていた。操舵・懸架事業の関係者には肩身の狭い時代が続いていた。

 トヨタ自動車から新たな電動コラムの開発要件が示されたのは、そうしたときだった。
 「競合状態を抜け出す絶好のチャンスだ」
 「安全で使いやすい、画期的な電動コラムを作り出そう」
 そんな思いを背景に99年春、世界一の電動コラムをめざし、開発チームは動き出したのだった。

電動コラムのうれしさ

  • ハンドルポジションを電動で簡単調整
  • 最適ハンドルポジションをメモリー化し、オートアウェイリターン機能により乗降性を向上

上:キーを抜いた状態
下:キーを差した状態

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