グループ競争力の強化、革新的な技術開発、ものづくり力強化の成果をご紹介します

2017年度の振り返り

2017年度の業績については、オートマチックトランスミッション(以下、AT)や車体部品の販売が好調であったことや、アート金属工業の子会社化により、2016年度に比べ3,463億円増加の3兆9,089億円と過去最高の売上収益となりました。
また営業利益は、原材料価格の上昇や減価償却費の増加といった減益要因があったものの、売上の増加や収益体質強化活動、為替差益の影響により、前年度に比べ252億円増加の2,538億円と過去最高益となりました。
なお、2018年度につきましては、売上収益は2017年度に比べ711億円増加の3兆9,800億円、営業利益は12億円増加の2,550億円を目標に取り組んでいます。

売上収益
売上収益
売上収益構成比
売上収益構成比

VC制でグループの総力を結集

自動車業界では、ゼロエミッションや自動運転技術の進化、コネクティッドカーの普及が進んでいます。また、クルマが「所有」するものから「利用」するものへと変わるといったライフスタイルの変化に加え、これまで自動車業界とつながりのなかったITや電機などの異業種からの参入、大幅な燃費・排ガス規制の強化など、競争相手もルールも目まぐるしく変化しています。そうした環境変化の中、グループ一体の競争力強化を進めるため2017年4月に「バーチャルカンパニー制(以下、VC制)を導入しました。事業軸でグループ各社を集約、それぞれが培ってきた技術力を結集し、一つの会社のように商品開発や生産、営業を行っています。4つの事業カンパニーが既存事業の競争力向上に取り組むとともに、「ゼロエミッション」「自動運転」「コネクティッド」の重点領域の開発を推進。更なる飛躍をめざしています。

VC制の全体像
VC制の全体像

自動車事業

パワートレイン

AT需要増加に対応、生産能力1,320万台実現へ

パワートレイン事業については、2020年までATの需要増加が続くと考えられることから、ATのグローバルな需要増加に対応するため、生産能力1,320万台実現に向け、日本・中国を中心に10の生産能力増強プロジェクトを決定し、取り組みをスタートさせています。
また、2020年以降は、世界各国の大幅な燃費・排ガス規制強化により、加速する電動化への対応が急務であると考えています。クルマの電動化に向けては「1モーターハイブリッドトランスミッション」や「eAxle」の開発を加速させるなど、商品ラインナップの拡充を進めています。

▶「パワートレイン事業の成長戦略」についてはこちらを参照ください。

走行安全

ブレーキ事業の競争力強化

走行安全事業では、ブレーキ事業の効率的な開発・生産体制を構築するために、アドヴィックスを主体とした事業運営体制へ再編し、最適生産体制の構築と競争力強化を図ってきました。
制御ブレーキについては、開発・生産機能を株式会社デンソーからアドヴィックスへ移管するとともに、アイシン精機の生産機能もアドヴィックスに集約しました。基本ブレーキについては、2017年8月にアドヴィックスによる豊生ブレーキ工業の連結子会社化と日清紡ブレーキ株式会社のドラムブレーキ事業取得を決定。ディスクブレーキと乗用車用ドラムブレーキの集約を進めています。
一方、将来を見据えると、クルマの電動化に伴う回生協調ブレーキの増加や自動運転に伴う制御ブレーキの増加に加え、モーター、電子制御装置(ECU)といった電子デバイスの需要拡大にも対応していく必要があります。そこで、情報・電子事業を含めた視点から、ブレーキを生産するアドヴィックス半田工場の拡張と走行安全・電子商品を生産するアイシン精機半田工場・半田電子工場の同時再編を決定。今後の市場拡大を、中期的な成長に向けて取り込んでいきます。

Column

技術開発の一例
~駐車支援技術の進化~

駐車に関わる煩わしさや待ち時間、事故などの課題解決に向け、駐車支援技術の高精度化と経路学習の進化により、自宅でのリモコンを使った完全無人の自動駐車の開発を進めています。これらの基礎技術を更に発展させ、駐車場入り口で降車後、駐車スペースまでの自動運転・自動駐車を行う「自動バレー駐車」の開発も進めています。

専用駐車場での自動バレー駐車
専用駐車場での自動バレー駐車

車体

車体事業の競争力強化

車体事業については、車体VCを構成するアイシン精機、アイシン辰栄、シロキ工業においてスケールメリットを生かした生産体制の効率化や供給体制の再構築に取り組み、個社の持つリソーセス、能力を最大限活用。また、それぞれの設備や生産工程を徹底的に比較し、「いいとこ取り」をするベストミックス活動を展開し、更なるコスト低減を実現するなど競争力強化を推進しました。例えば、ドアフレームにおいては、アイシン精機の「高速加工」、シロキ工業の「部品搬送」技術を組み合わせ、従来、人が行っていた作業をロボットに置き換えるなど自動化した生産ラインを開発し、生産スピードは2倍に改善、スペースを10%、コストを15%、それぞれ低減を実現しました。今後も、生産工程の更なる効率化、高度化に取り組んでいきます。

Column

「おもてなしサービス」実現に向けたシステム開発

パワースライドドアなどの様々な車体関連商品の電動化を進めてきた技術に、車内外の認識技術やナビ・位置情報を組み合わせた「おもてなしサービス」の実現をめざしています。乗降時、後方から接近する自転車などを検知してドアの操作を止める「見守り安心ドア」、隣の車両や障害物などを検知してドアがぶつからないように開閉を自動制御する「止まって安心ドア」などの開発を進めています。

見守り安心ドア 止まって安心ドア
見守り安心ドア 止まって安心ドア

情報・電子

生産革新による競争力強化

情報・電子事業においては、快適なカーライフをサポートするカーナビゲーションシステムやAT、ブレーキ、パワースライドドアなどを制御するECU、センサー、アクチュエーターなどの電子部品を開発・生産しています。クルマの電動化や自動運転、おもてなしサービスなどのシステム開発を支える電子基盤技術は、今後、一層重要となり、クルマへの電子部品の搭載数も増えていく見込みです。このような市場動向を見据え、電子部品の共通化に向け、全長30mの汎用設備による既存ラインを1.5mに小型化したシンプルスリム実装ラインを開発・導入。投資当たり生産能力4倍と大幅な省スペースを実現し、ECU生産の競争力強化を図りました。

従来の汎用設備による実装ライン

次世代開発に向けた基盤強化

将来の競争力を支える開発基盤強化としては、人工知能を中心とする先端開発、情報収集・渉外活動の拠点として東京臨海副都心に「台場開発センター」を新設しました。また、画像認識技術開発を手がける「Idein株式会社」と人工知能分野で資本提携契約を締結。更に世界のスタートアップ企業を探索・発掘するファンド「Fenox Venture Company XX, L.P.」を、アメリカのシリコンバレーに設立しました。自動運転技術の先行開発分野では、「Toyota Research Institute Advanced Development」へ出資。今後、トヨタ自動車株式会社、株式会社デンソーと共同で技術開発を進めていく計画です。

台場開発センター
台場開発センター
Fenox Venture Company XX, L.P.
Fenox Venture Company XX, L.P.

カーメーカーにご採用いただいた主な商品

トヨタ自動車 LEXUS LS500、LS500h
急速車高調整エアサスペンション

ユーザーの使い心地に関わる「おもてなし」機能として、乗降時に車高調節を行います。耐久性、調整時の作動音を低減しました。

ニューマチックシートシステム

シートサポート調整数は28Wayでホールド性や快適性向上に貢献。リフレッシュ機能はエアブラダ(空気袋)を拡張させることで、高い押圧性能を実現しました。

トヨタ自動車 カムリ
TNGA FF8速オートマチックトランスミッション

多段化と高性能小型トルクコンバータの採用により、ダイレクト感のある走りを実現。軽量・小型化で低燃費化にも貢献しています。

ルノー メガーヌRS
アクティブリアステアリングシステム

後輪を操舵し、高速走行時は正確なコーナリングを、低速走行時には取り回しが容易にできるようサポートしています。

サンルーフ

中国の現地自動車メーカー向けに商品の拡販を広げており、現地のニーズに合った外観だけでなく、部品点数の削減や軽量化を行いました。

広州汽車 GS8
パノラミックサンルーフ
吉利汽車 帝豪GS / 江淮汽車 瑞風R3
チルトアンドインナーサンルーフ

住生活・エネルギー関連事業

豊かなライフスタイルをサポート

住生活関連事業では、ベッド寝具ブランド「ASLEEP」の認知度を更に高めるために、東京の青山通りに「COCON AOYAMA」をオープン。ファインレボ&エアウィーヴマットレスなどの新商品を紹介しています。
エネルギー関連事業では、いかにエネルギーコストの最適化をするかという点に着目し、ガスヒートポンプと電気モーターヒートポンプを組み合わせたハイブリッド空調システムを、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会社、ダイキン工業株式会社と共同開発しました。今後も、空調システムの普及拡大を通じ、省エネルギーと環境負荷低減に貢献していきます。

台場開発センター
コンセプトショップ
「COCON AOYAMA」
Fenox Venture Company XX, L.P.
ハイブリッド空調システム
「スマートマルチ」