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“きらりプロジェクト”座談会

女性が活躍できる場を、女性たち自身の手で。
キラキラと輝く未来をつくりだす、“きらりプロジェクト”。

“女性活躍”という枠を超え、男女の性差にかかわらず多様な働き方を社内に浸透させるため、これまで制約の多かった女性社員の立場から、労働環境を革新しようと始まった、女性社員参加型の“きらりプロジェクト”。そのメンバーたちが、アイシン精機のダイバーシティの変化と現状について語ります。

“きらりプロジェクト”とは

世界のお客様に「かけがえのないグローバルパートナー」と認めていただくため、ダイバーシティのさらなる推進をめざすアイシン精機。なかでも女性活躍推進を、組織全体のパフォーマンスを上げるための重要項目と捉え、副社長指揮のもとスタートしたのが、“きらりプロジェクト”である。2014年の発足以来、女性活躍にあたっての課題解決を推し進めるべく、各機能から女性代表者が集まり、主体性を持って、職場の声や状況の反映に取り組んでいる。“きらり”のネーミングは、参加メンバーによって決定。男性女性かかわらず、社員みんながキラキラと輝く未来にしたいという想いが込められている。

女性の働き方の移り変わりと、
見えてきた課題

“きらりプロジェクト”発足当時の課題と、現在の想いは?

工場で勤務する女性は少ないので、私がいいモデルケースになればいいな、という想いはありましたね。“きらり”を通じて、いろいろ考える機会をいただいて、学ばせてもらうことも多く、私自身、いい勉強になったと思っています。
技術系は女性の母数が少ないですもんね。私も、女性の輪が広がったらなという想いはありました。事務本館と技術本館が分かれているので、事務系の方とも輪が広がればいいなという想いもありました。
営業は、他の部門に比べれば女性は多いですが、私は、海外赴任もさせてもらったので、その経験を役立てられればと思いました。 “きらり”の目的は、女性活躍推進にあたっての阻害要因がどこにあるのかをディスカッションしながら抽出し、制度として何か仕組みをつくり上げること。そういった意味では、阻害要因のあぶり出しという側面が強かったんですが、男性においても、今後は介護やパートナーの出産にあたっての育休とか、働き方がさまざまになってきますよね。女性に限らず、ワークライフバランスを取っていくなかで、働き続けられるやり方が何かを知り、阻害要因に対して何ができるんだということを考えることは、非常に大切だと感じました。
私たちが若いころは、そもそもロールモデルがいませんでしたからね。女性で管理職になっていく人は、独身というのが当たり前の風潮でした。男女雇用機会均等法ができた年も、男性社員には憧れの上司というのがいたけれど、女性社員は母数が少なくて、誰をめざせばいいのかわからないという時代でした。
男性と比べ、女性のほうが選択肢の条件がさまざまですよね。選べるという意味ではなく、結婚する・しない。子どもがいる・いない。親と同居している・いない。旦那さんが忙しい・忙しくない。そこでサポートを得られる・得られないという立場がいろいろあって、仕事に対する取り組みやスタンスが人それぞれです。そのなかで“女性活躍”を推進していくのなら、多様な働き方を認めていかなければいけない。昔のように、“活躍”=大卒・男性・長時間労働という構造は、変えていかないといけない。
「残業が多い=頑張っている社員」という文化って、何なのよ、という想いはありましたね。残業するのではなく、短い時間で片付けられる人のほうが、パフォーマンスが高いはずなのに。それに、昇進することが必ずしも幸せではないという考え方もあります。活躍の定義って何ですか?という話もしました。まず、そこから考えなければいけなかった。
逆に私の部署は、女性社員としての配属は私が初めてだったので、女性だからこれをやりなさいというのがなくて。でも男性並みに働くことが、当たり前だと思われていましたから、体力的についていくのがやっとでした。製造ラインがストップしたら、夜遅くても化粧も落とさずに機械に張り付かなければいけない。その辺りを配慮してほしかったのですが、総合職として男性と同じお給料をいただいていますから、とても言えませんでした。結婚した後も、家事があるから帰りますとはなかなか言い出せなくて。一時は商品を持たない予算管理のチームに異動させてもらえましたけど、部署全体の忙しさもあって、「やっぱり商品を持ってくれ」と言われましたね。
昔の話ですが、お茶出しのような、いわゆる「雑用」的な業務は女性の仕事、という時代もありましたね。当番制だから、それをやって、なおかつ、男性と同じパフォーマンスを発揮しなければいけないという二面があって、とても苦労しました。朝、掃除をするでしょ。夜中までかかる仕事があっても、当番は一週間交代だったので、翌朝も早く出なければいけない。夜遅い日が続くと本当に精一杯でした。今は給茶機が入って、業者の方がやってくれるのでなくなりましたけど。
女の子はアシスタント的な存在でしたね。私のいる“イノベーションセンター”では逆ですよ。課長・部長が朝コーヒーを淹れるの。新しいビルに移転が決まり、給茶機を導入しようとしたら、コストが予想以上に高いとわかったので、ウォーターサーバーとコーヒーメーカーを入れたんです。以来、毎朝マネージャーが出社して最初にするのが、20杯分くらいのコーヒーの準備。

立場や環境の差を越えて、共感の輪が広がっていく

“きらりプロジェクト”を通じて、どのような変化がありましたか。

“きらり”が始まったころは、制度をつくり上げていこうとしていた段階でしたね。当時は短時間勤務の制度はあったけど…、在宅勤務やメンター制度はなかった。他にも、キャリア開発研修や“イクボス塾”もできて…。
私たち、結構、貢献してるじゃん!
田中さんと杉本さんの技術部門だと、「女性社員と接し方がわからない」という上司が多かったんじゃないですか?
あ、それは逆にないですね。男性同様の扱いですから。出産して戻ってきたときに、ちょっと変化していたらいいなと、期待していたほどです。「出産したし、バリバリの最前線からは、少し遠ざかろうか?」なんて言ってくれるんじゃないかって。
でも、いざ「じゃあ、ちょっと緩めの仕事を」なんて言われたら、自分の頑張りたい部分が出てくるんじゃない?
うーん、たしかにそうなんですが、初めての子どもだったんで、保育園に預けるのに抵抗があって。本当は、5時半で帰れるような環境が良かったんですよね。それでもやっぱり、今まで培ってきた経験は、技術者としてすごくありがたいものばかりだったので、それを若手に伝えるとか、資産管理を担当させてもらうというような仕事もいいなぁ、なんて思っていました。でも、復帰した途端、「待ってた!お帰り!!」と言われましたね(笑)。最初だけは、定時で帰らせてもらえていたんですけど、人が少なくて仕事が回っていかないので1か月もしないうちにハードワークに逆戻り。
それはレアケースだよね。ほとんどの場合は逆という印象だけど。
事務系は特に、上司へのアンケートの結果で「短時間勤務の人に重要な仕事を任せられない」というのが多くて、「勝手に遠慮したマネジメントをしているのでは?」って、話していたよね。
それで、仕事を頑張りたいという部下のキャリアと真剣に向き合おうということで、“イクボス塾”ができたんですよね。その結果、すごいな、と思ったのは、一般事務職を続ける選択肢しかなかった方のステップアップを、上司が考えるようになったことですね。庶務業務だけでなく、もっと秘書のような形で自動車メーカーとのやりとりも任せようということになりました。
それは素晴らしい進歩だね。ウチのボスも頑張っていますよ。コミュニケーションを取りやすいようにオフィスのレイアウトを変えたんです。机を向かい合わせるんじゃなくて、背面対向にして間にテーブルを置いて、何かあったらくるっとふりむいて「ちょっといい?」って声をかけて、すぐに打ち合わせができるようにしたんです。これはいいですよー。
私は自分が女性だからということで悩んだことがないというか、不平等な扱いを受けたかもしれないけど気づかずに来てしまった人間なので(笑)。でも、みんな悩んでいるんだなと思いました。女性は、完璧主義みたいなところがあるのか、会社を辞める理由として多いのが「仕事も家庭も、どちらも中途半端になるから」というもの。
あぁー。あるある。
そんな完璧な人間、男性でもいませんよ。そんな完璧な人いるの?って聞きたいくらい。けど、「家事も育児も仕事も、うぅぅ…」と言われると、何とかしてあげたいって思いますよ。女性が仕事と家庭で負荷がかかる時期って、人生全体で見れば、ほんの数年なんですよね。「そこでポキッと折れてしまったら、長い老後をきっと苦労するよ」って、いつも言うんですけどね。そういうことで退職することがレアになって欲しい。そういう彼女たちも「主人は働いてもいいって言ってくれるんです」って、大概みんな言うんですよ。結局、自分で自分を追い込んで辞めてしまうのよね。
本当に、もったいないですよね。
もったいないからこそ、ちゃんと両立…ていうか両立って何なの?って思いますよ。私だって、何とか仕事と家庭のバランスを保ちながら、振り子のように大きく揺れたり小さく揺れたりしながら会社のなかでやっていこうとしているだけなのよね。その裏では、実は家族にフォローしてもらってできていることも、迷惑をかけていることもある。でも、働く以上は、自分の旦那さんに対しても仕事を理解しあえる立場でありたいし、社会のなかでも認めてもらいたいじゃない。別に、キャリアがどうこうではないのよね。平敷さんが言うように、どっちかが中途半端になるって悩んでいる人に、私の姿を見せてあげたい。「家のなかぐっちゃぐちゃですよ。こんな私でもやれていますよ」って。
そうそう、そうそう!!!
本当に、何にもできていない。髪を振り乱しながら、ぐちゃぐちゃになりながらやっているっていうところを知ってもらって、「その程度でいいんだ」と思ってもらえれば、みんな一歩踏み出せると思う。キャリア的にバリバリやっている人がすべてだとは思わないので、生き方として、いろんな人がいることがもっと浸透してくれば、男性女性問わず理解も深まっていくと思う。そういう小さな輪を広げていきたいですよね。例えば、自分が働いていて、同僚がそれを見ている。そして、私を支えてくれる旦那さんがいて、その無理している姿を彼の同僚が見ている。「あそこの家、大変そうだな。だけどなんとかやっているな」っていうようなことが、どんどん広がっていけば、全体のレベルアップにつながるのかなと思います。
いろんな働き方の人が増えてくれば、「私と同じような人いっぱいいるじゃん」という安心感も出てくるしね。
今日のメンバーも、みんな職種も違うし、年齢も家族構成も違う。仕事に対する考え方もね。いろいろな人生があるんだなということが、みんなに伝わることが大事ですよね。
抱えているジレンマも人それぞれ違うし、部署や職位によっても違う。“きらり”に参加して、そこを共有できる輪が広がったことは、良かったなぁと感じていますね。

一人ひとりの経験を集め、変化を成果につなげていく

周囲の変化や派生して始まったことなどは?

これは営業部の取り組みですが、座談会みたいなこともしています。社内の調達部門や、関連会社の営業とか、そういう活動が広がりつつあります。
先輩社員が若手社員の相談相手となるメンター制度が発足し、かつての自分と同じような境遇にある後輩と、話をする機会が増えました。各工場に分散している女性たちは、職場に相談相手が少ないですから。そのなかで、昔の私と同じことで悩んでいるなと感じましたね。「結婚しようと思っているけど、結婚したら今の労働時間は無理!」って。もう、ボロボロ泣いちゃって。私ももらい泣きしちゃった。「そうだった、そうだった」って思って。結婚を控えて異動のお願いをしているけど、彼女しかできない技術を持ってしまっているから、上司も変えてあげたくても変えられないって。だから、期待されているのもわかるし、一生懸命頑張りたいって言うんですよね。
でも、女性って、結婚を控えるといろいろ考えるじゃないですか。いい奥さんになりたいし、家を守らなきゃいけないし、子どもを産まなきゃいけないとか。さっきの話のように、どっちも中途半端になりそうだから辞めたほうがいいかもと思う気持ちもわかりますね。でも、私と同じような悩みを抱えた彼女を、私が助けることができたので、本当に“きらり”に参加していてよかったと思いますね。このメンター制度がなければ、きっと彼女は辞めていたと思う。
結婚したいし子どもも産みたいし、でも仕事も頑張りたい。そういう悩みは、贅沢でわがままな悩みと思っている人って、絶対多いはずなんですよね。それが男性の上司であるとなかなか言い出せない。同じ女性で同じ境遇の人に相談したくても、どこにいるどんな家族構成の人なのかなんて調べようがないし。だからこそ自分なりの結論を出して辞めちゃう人がいる。まだ、メンターとして1人か2人しか話はしていないですけど、もっと増えてくれば、10年後・20年後を描ける人が増えてくるのかなと思いますね。
共感できる境遇の人の意見を参考にできるというのは大きいですよね。今までは、一般的に言われている“教科書”的なことしか教わっていなかったし、「私、その教科書に載っていない環境なんですけど」という人が困っていて、だから自分で決めなければいけない。でも、「お弁当は惣菜でいいんだ」とか「洗濯物は畳まなくていいんだ」というように、ハードルを下げてもいいということを、もっと伝えたいですよね。
メンター制度では、「今まで誰にも相談できなかったのに、相談できて、すごく楽になりました」という声も増えているようですね。講演会のような場では、“1対多”の悩みの共有だから、紹介される事例を参考にできるけれど共感は薄いんですよね。それが、メンターは自分の成功も挫折もさらけ出してくれて、共感し合える。
女って、共感の生き物ですからね。それが得られるだけでも大きい。
それから、イノベーションセンターでは、1歳児のパパさんが、保育園の送迎をやっているんですね。朝7時半にきて、4時半に迎えに行っています。すごく重要な仕事をしている人なんですけれど、奥さんと協力しながらも8割くらいは彼が送迎している。4時半くらいに「じゃあ、お迎えに行ってきます」って帰って行くんですけれど、みんな「お、いってらっしゃい!」って言います。上司は別の男性に向かって「お前は何で行かないんだ?」と言っていますよ。あえて意識的にという部分はありますけれどね(笑)。
その方は、そのまま帰宅するんですか?また出社するとかではなく。
ええ、短時間勤務と似ているけれど、彼の場合はフレックス勤務をうまく活用しています。ガッツリ仕事をするときはやっているから、日ごろ、すごいパフォーマンスを発揮できているのだと思う。
でも、そろそろ我々の世代より若い人たちに“きらり”に入ってもらいたいですよね。私たち、すでに“ギラリ”だから(笑)。20歳そこそこの女の子が、我々に相談することも、実はハードルが高いんですよね。身近な年代の育成も必要だと思います。

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