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AISIN GROUP TOP MESSAGE 2017

グループ競争力の強化に向け、
バーチャルカンパニー制を導入

また、これらのグループ一体となった競争力強化を進めていくための土台として、今年4月よりバーチャルカンパニー制(以下、VC制)を導入しました。

導入の目的はグループとしての一体感と変化への対応力によって競争力を強化することであり、この目的に向かうためにグループ各社を事業軸で集約することで、あたかも1つの会社のように商品開発や生産、営業を行っていきます。一方では、多様性、人間尊重、挑戦、スピードなど、これまで分社化で培ってきた良きDNAを活かすため、実際の会社を尊重しながらスピード感のある事業運営を行っていきます。

VC制は4つの事業VCとグループ本社により構成されます。事業V Cはエンジン、トランスミッションなどを担当する「パワートレインVC」、ブレーキ、シャシー、自動運転などを担当する「走行安全VC」、スライドドア、サンルーフなど車体部品を担当する「車体VC」、ナビやECU、センサーなどを担当する「情報・電子VC」で構成され、各社の技術の結集による新商品開発や重複領域の整理による事業効率化などを進めていきます。一方、グループ本社は、開発、生産、調達、営業などの機能部門と、経理、人事などの経営管理部門を持ち、機能部門による業務の高度化、経営管理部門のプラットフォームの統一による業務の効率化を進めていきます。

アイシン精機株式会社 取締役社長 伊原 保守

事業VCについて詳しく説明しますと、「パワートレインVC」では、オートマチックトランスミッション、ハイブリッド車用トランスミッションなどを担当するアイシン・エィ・ダブリュ、商用車用トランスミッションなどを担当するアイシン精機、マニュアルトランスミッションなどを担当するアイシン・エーアイが中心となり、各社がこれまで培ってきたトランスミッションの開発リソースを集結させ、一体となった開発体制を構築し、新たなパワートレインの開発を進めます。

VC制の全体像

「走行安全VC」ではアドヴィックス、アイシン精機、豊生ブレーキ工業が連携してブレーキやシャシー、自動運転などを開発することで、「走る・曲がる・止まる」の性能をより高めていきます。

「車体VC」では、アイシン精機、アイシン辰栄、シロキ工業の3社で重複する商品領域を整理し、各社の得意分野に集約することで、スケールメリットの追求による効率化を進めるとともに、3社の良さを活かした効率的な生産ラインの開発などを進めていきます。

「情報・電子VC」では、各社の電子部品とナビゲーションシステムの部隊をすべて集約し、リソーセスを集中し開発効率を高めることで競争力強化を進めていきます。

成長戦略の加速
VC制を導入する背景
成長戦略の加速
VC制の概要

お客様に感動や喜びを与えられる企業であり続けるために

従来のように、各社が独自に進む方向を決めていくアイシンのDNAを維持した体制でも問題はないように思えます。しかし、いつの間にかグループ全体が大きくなり、アイシンのスピリットが薄れ、少しばらばらの方向を向いてしまっているように感じています。今回導入するVC制をオポチュニティ(良い機会)と捉え、4つの仕事の変革を常に持ちながらトライ&エラーを何度も繰り返し、グループ一丸となってより良い形に進化させていきたいと考えています。

私が社長就任時に掲げたスローガンは、「好きなことをやって、いい明日をつくろう。」です。アイシングループは、どんな時代においても世の中のお客様に対して感動や喜びを与えられる企業であり続けたいと願っています。そして、自動車産業は今まさに大きなターニングポイントを迎えています。このVC制をはじめ、次世代成長領域の開発活動などさまざまな取り組みが、ある意味では当社の将来を決めるものだと私は感じています。これから先もお客様とともに進んでいくために、夢を持って新たなことに挑戦し続けたい、そう強く思っています。

VC制のスタートにあたって
社長の想い

今年7月、フランスとイギリスが2040年までに国内におけるガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると発表。また同月、ボルボは2019年以降に発売するモデルはすべて電動化すると発表した。これらのニュースを発端に、いまや明日にでも自動車のすべてが電動化になるような報道が相次いでいる。

しかし、冷静になってみればことはそんなに単純でないことがわかる。ここでフランスやイギリス、またはボルボがいう電動化とは実はピュアEVではなく、ハイブリッドやプラグインハイブリッドを含んでのものだ。まるで内燃機関のすべてがなくなってしまうかのように捉えられているが、実際はそうではない。

今年の6月、トヨタ自動車の豊田章男社長に電動化について話を聞く機会があったがその際の回答は「トヨタの場合は、ハイブリッド、PHV、EV、FCV(燃料電池車)といろんな次世代環境車があるなかで、当面の一番現実的な解はハイブリッドだと思っている」というものだった。現在市販されているハイブリッド、PHV、いずれの性能も間違いなく日本の技術が世界をリードしている。すでに日本国内で500万台以上ものハイブリッドカーが販売され、三菱i-MiEVや日産リーフなどの比較的安価なピュアEVも、さらにはトヨタMIRAIのようなFCVまで市販されている日本は実は世界でもっとも電動化の進んだ国とも言えるだろう。

伊原社長は先のトップメッセージ中で、「電動化に対応したパワートレイン商品の開発を進め、またハイブリッドトランスミッションで培った知見を活かしEVやFCVのパワートレインの基幹部品であるモーターやインバーターの開発にも注力していく」旨を述べていたが、「ゼロエミッション」「自動運転」「コネクティッド」というアイシングループが定めた3つの次世代成長領域の中でも、これらハイブリッド関連の技術が欧州メーカーからの需要ものぞめるストロングポイントと言えるかもしれない。