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革新的な取り組みで世界に挑む西尾ダイカスト工場 革新的な取り組みで世界に挑む西尾ダイカスト工場

愛知県西尾市に位置する「西尾ダイカスト工場」。
オートマチックトランスミッション(AT)の生産量拡大に対応する、ダイカストの生産拠点として活躍しています。
2017年に完成した南棟は「世界で勝てるダイカスト工場」を目標に掲げ、生産環境、職場環境の改善を推進。競争力の強化に努めています。
ここでは、これまでの工場のイメージを覆すような、西尾ダイカスト工場の革新的な取り組みをご紹介します。

(2019年2月当時)

Factory Data

西尾ダイカスト工場 南棟

西尾ダイカスト工場 南棟

生産開始
2017年8月
生産品目
AT用トランス、ミッションケース など
建屋面積
11.5千平方メートル
従業員数
137人(2019年1月)
生産ライン
10ライン(2019年1月)

従来のイメージを覆し、世界に挑む! 西尾ダイカスト工場7つの特長 従来のイメージを覆し、世界に挑む! 西尾ダイカスト工場7つの特長

明るい職場

MISSION

自然光を取り入れ、人にも環境にもやさしい職場を実現せよ

BEFORE

  • 明るさ200ルクス*(照明点灯時)
  • 窓が小さく数も少ないため、採光面積が7%
  • 大型DCマシン、上部付帯設備(配管など)により影ができやすい
  • 暖色系の内装色と影により薄暗い雰囲気

*ルクス:照明の明るさの程度を表す単位

AFTER

  • 明るさ3,000ルクス(照明消灯時 12:00時点)
    照明をつけなくても十分な明るさに
  • 屋根、壁面に窓を追加し、ドーム形状の半透明ガラスにより光を拡散させて取り込む
  • 内装を白色系にすることで室内反射を活用し、明るさ感向上
  • 配管、設備を地下ピットへ設置し光を阻害する要素を削減

担当者からのイチオシポイント

PE・環境推進部
稲熊 亮司さん

天窓や壁に高窓を配置して、自然光を積極的に建屋内に取り入れました。内部では建物上部に吊る配管類を地下ピットに配置することで影ができることを防止。また、入る光の拡散と白色系内装の反射効果により、まぶしくなく明るさ感を向上させることができました。さらに、昼間は照明なしで充分な明るさを確保できるので、省エネにもつながります。

涼しい職場

MISSION

換気・空調の効率を向上させ涼しい職場を実現せよ

BEFORE

  • 作業エリアの温度 DCマシン周辺温度 +4度
  • 溶解炉のふく射熱の影響により、周辺温度が上昇
  • 工場中央部に空気を滞留し、熱だまりが発生

AFTER

  • 作業エリアの温度 DCマシン周辺温度 +1度
  • 溶解炉エリアに仕切り壁を設置し、熱漏れを防止
  • 地下の給気ダクトを通して外気を取り入れて、中央部の熱だまりを押し上げて排気

担当者からのイチオシポイント

PE・環境推進部
稲熊 亮司さん

ポイントは「熱の遮断」と「空気の置換」です。まず、溶解炉エリアに仕切り壁を設置し、熱の流出を遮断。さらに地下ピットを活用して中央部の給気・排気を行うことで、強制的に空気の流れをつくって熱溜まりを解消し、快適な職場を実現しました。

進化したAGV

これまではフォークリフトで大型のダイカスト製品を運搬していましたが、新型AGV*を導入したことで省人化を実現できました。また、これまで難しかった方向転換時の滑らかな動きも可能にしました。

*AGV:Automated Guided Vehicle(無人搬送車)

導線の完全分離

中央部に作業エリアを集中させることで生産性をアップしました。
また、溶解エリアと生産エリアを分離し、物流動線を確保することで安全性をアップしました。

綺麗で安全な溶湯運搬

MISSION

技能員の安全と溶湯の品質を保持できる溶解~配湯工程を実現せよ

BEFORE

溶湯の運搬
技能員がフォークリフトで高熱物である溶湯を運搬しており、溶湯飛散や技能員への接触リスクがある。
廃材(バリ)の回収、運搬
廃材は廃棄せず溶解して再利用するため技能員が回収・運搬しており、高温物接触のリスクかつ時間のロスも多い。
溶湯保持炉の管理
保持炉内の湯面が下がると、都度技能員が溶湯を注ぎ足し、かき混ぜる。この作業時に異物混入や酸化物発生のリスクがあり、溶湯の品質確保に苦慮。

AFTER

フォークリフトレス配湯
配湯樋(とい)で溶湯を移送し、直接DCマシンに配湯する仕組みを採用。技能員の安全確保はもちろん、排ガスによる空気汚染も防止できる。
廃材自動回収
地下ピット内にコンベアを設置し、廃材を自動回収。省人化、効率アップを実現した。
溶湯品質と安全性を向上させた溶湯保持炉
パネルヒーターや積層断熱材を採用し、熱効率が良い保持炉を開発。配湯樋から移送された溶湯の温度と湯面を一定に保ち、酸化物の発生を抑え、溶湯の品質を保持できる。

担当者からのイチオシポイント

軽合金技術部
藤野 博文さん

以前は、人の手を介在して700度近くにもなる溶湯を運搬しなければならない職場でした。これまで技能員さんに負担をかけていた分、安心して働ける工程にすることを目標に掲げていました。その結果、省人化を実現して災害リスクを限りなくゼロに近づけ、さらに溶湯の品質も確保できる画期的な工程が完成しました。

生産スピード向上

MISSION

金型交換の時間短縮で可動率を向上せよ

BEFORE

  • 金型交換時間 100分
  • 外型、中型それぞれを交換するので作業時間が膨大
  • 金型交換中は該当ラインの生産がストップしてしまい、可動率に大きく影響
  • 人と金型の接触リスクがあるうえ、作業時間も長いため技能員の負荷大

AFTER

  • 金型交換時間 3分
  • 外型はDCマシンに固定させ、中型だけを交換する仕組みに変更
  • 金型の交換装置とDCマシンを一体化。使用済みの金型と新しい金型の交換を一度にできるため、交換時間が大幅に短縮
  • 技能員は、クレーン操作と金型交換装置のボタン押下のみで作業が完結するため、簡易性と安全性が両立

担当者からのイチオシポイント

PE・環境推進部
稲熊 亮司さん

金型の交換装置とDCマシンを一体化し、新しい金型を台車にのせるだけで自動で金型交換できる仕組みを構築しました。搬送レールの剛性化や金型の軽量化に苦労しましたが、工機工場と協業して試作を重ね、実用化にこぎつけました。技能員の安全性と作業のしやすさにとことんこだわったので、少しでも負担の軽減につながれば嬉しいです。

快適な休憩スペース

生産環境だけではなく、職場環境の改善にも取り組んでいます。休憩時間も快適に過ごせるよう、従業員の意見を取り入れ、広くて使いやすい女子ロッカーやお弁当などが食べられるカフェテリアをつくりました。

MESSAGE

従業員の安全・安心・快適をとことん追求

製造部門のプロジェクトリーダーとして、従業員が楽しく快適に働ける職場づくりを一番に考えました。まずは、ダイカスト工場ならではの重労働作業からの解放として、金型交換、溶湯運搬および廃材回収を自動化し、作業の軽減を図りました。環境改善としては、溶解炉の完全分離による暑熱対策をはじめ、照度や騒音、ミスト対策に着手しました。その結果、これまでの暗いイメージから脱却し、南棟は白を基調とした明るく快適な職場になりました。私が工場建設に携わったのは、タイに続き2度目なのですが、安全・品質・生産性の面から見ても、世界に通用する工場ができたと思います。まだまだ課題はありますが、将来は誰でも安心して働ける工場をめざし取り組んでいきます。

西尾ダイカスト工場
製造G 主査
永崎 藤昭さん

世界で勝てるダイカスト工場に向けた熱き想い 世界で勝てるダイカスト工場に向けた熱き想い

「自分たちが働く工場を
自分たちでつくる!」
皆の思いを結集した南棟

パワートレイン商品本部
ダイカスト事業担当役員

辻村 健次さん

「好きなことをやって、世界一のダイカスト工場をつくりあげよう!」をスローガンに、「自分たちが働く工場を自分たちでつくる」という気持ちで全員が取り組んできました。 私はこれまでと違う工場を実現するには、従来の「非常識」への挑戦が必要だと考え、プロジェクトメンバーから常識を破るアイデアを引き出すよう働きかけをしました。最初は苦戦しましたが、メンバーたちが試行錯誤して実証実験を行い、理想の工場づくりに取り組むうちに、定例会で自信なく進捗報告をしていたメンバーも明るい表情で堂々と話すようなり、様子が変わっていったことが印象深く残っています。 今後は、設備や建屋などの「ハード」とそれを動かす人の「ソフト」の両面でさらにレベルを上げ、自信やプライドを持って世界一の工場をめざして取り組んでほしいと思います。また、今回の取組みは南棟だけの技術やノウハウではありません。南棟で働く皆さんから既存のダイカスト工場や海外の工場へ、どんどん展開していってください。

全員で世界一の
ダイカスト工場をつくろう

西尾ダイカスト工場
工場長

米盛 哲郎さん

世界一を決めるのは我々ではなく、お客様だと思います。お客様に感動を与えられるような商品をつくるためには、どんなに優れた設備や機械を導入していても、そこで働く一人ひとりが努力していなければ世界一の工場にはなれません。南棟だけでなく、既存のダイカスト工場で働くすべての従業員が、自信と誇りを持って「いい商品をつくっています」と言えることが何より大切だと思います。私はそれをぜひ実現したいと思っています。日頃から積極的にアイデアを出したり、自分たちのやりたいことをどんどん発信して、ダイカスト工場全体で世界一をめざしましょう。